「ロワゾ・ブルー」宮川綾子オフィシャルブログ

2018.12.28 | カテゴリ:ブログ

70兆分の1


おはようございます。宮川綾子です。
いよいよ今年も残すところ4日となりました。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
今日は「70兆分の1」というお話です。
どうぞおつきあいくださいませ。

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また、やってしまった…と思うことがあります。
嚥下の力や食道の細さが関係しているのか、
私は時々、食べ物を喉に
詰まらせてしまうことがあります。

何十分も苦しい状態が続くこともあるのですが、
そんな時は自分を落ち着かせ、
食べ物の塊が喉元を過ぎるのを
待つしかありません。
そうして、心ここにあらずだったな…と思うのです。

思い起こされる光景があります。
私は幼稚園でいつも
お弁当を食べ終わるのが最後でした。
とてもよく噛んでいたのです。

自分の性格からして、
最後になることを
気にしそうなものなのですが、
不思議と焦りを感じた記憶はありません。

幼稚園の先生が母に連絡をされたのでしょう。
ある日、母が心配そうな顔をして、
ご飯粒の小さな塊を持ってきました。

「これくらいの大きさで飲み込める?」
「え…? ご飯はよく噛んで食べるんじゃないの?」

母の言葉に内心驚きましたが、
大好きな母の顔を見ていたら、
嫌だとは言えず、
そのご飯の塊を、無理矢理
飲み込んだことを憶えています。

周りに合わせていけるように、
という親心でしょう。
ありがたいことです。

ただ、今にして思うと、
幼稚園児の私は、
自分のからだのこと、そのつき合い方を
知っていたのではないのかな…
そんな気もしてくるのです。

さて、一組の男女から生まれてくる
子供の染色体の組み合わせの数が
どれほどあるかというと、
約70兆通り(※)もあるそうです。

言い換えると、約70兆から1引いただけ、
きっと、どこかあなたに似ていて、
でも、あなたではないだれかが
生まれてくる可能性もあったものの、
そのご両親の子として
約70兆分の1の確率をもって
生まれてきた存在は
あなただったということですね。

すごい確率だと思うんです。
(ちなみに、ジャンボ宝くじの一等
当選確率は2千万分の1程度だそうです。)

これを思うだけでも、
どんな自分の特徴もかけがえがなく、
人と比較する必要もないし、
私以外の人たちもみんな、
愛しく感じられてきます。

でも、私たちは、
もしかしたら、小さな頃から、
生きていくために必要なことだと思って、
その個性を抑えたり、
こうあるべきと実は理不尽に自分を縛ったり、
周囲の期待に応えようと無理を続けたり…
といったことがあったかもしれません。

そこから自分を解放し、
自分のからだ、こころの声に
応えていこうとしたとき、
不安や迷いを感じられることがあるかもしれません。

でも、自分のことを
最もよく知っている自分を信じて、
かけがえのない「私」を大事にしたいものです。
それは、本来の自分に還っていく、
この人生の旅における大切な道程に思えるのです。

(※…ヒトは23対46本の染色体をもちます。減数分裂により生殖細胞(精子または卵子)がつくられる段階で、23対分「AかB」のどちらかの染色体が選ばれるので、組み合わせの数は2の23乗だけあることになります。精子、卵子それぞれそれだけの組み合わせ数がありますので、受精卵となると、これをかけ合わせることになり、2の46乗の組み合わせ数があることになります。)

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最後までお読みいただき、また、
本年も大変お世話になり、ありがとうございました。
年の瀬でお忙しくされている方も多いかと存じますが、
皆さま、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。

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