2018.11.17 | カテゴリ:ブログ
水鏡

少し前になりますが、
明治神宮へお参りに行きました。
その明治神宮御苑内にある清正井(きよまさのいど)って
ご存知でしょうか。
今日はその清正井から気づいたことなど綴ってみました。
よろしければ、おつきあいくださいませ。
明治神宮は原宿駅からすぐのところにありますが、
鳥居をくぐると、空気が変わるのが感じられます。
風に揺れ、重なり合う木々の葉の音の響く
その凛とした空気の中に入ると、
いつも心が洗われる感じがします。
明治神宮御苑へは、そのとき初めて行ってみました。
そこには、明治天皇が昭憲皇太后のご休息所として
思し召しになったという隔雲亭があります。
その辺りはのどかな雰囲気で、
小鳥たちがのびのびと楽しく遊んでいる様子でした。
そして、そこから少し先、
初夏には紫や白色で美しく彩られる花菖蒲田が広がります。
その先の木立の中に、清正井はあります。
清正井は、都会では珍しい湧き水の井戸です。
その澄んだ湧き水に触れてみると、
水がとてもやわらかいことに驚きます。
触れた指がやさしく包まれるような感覚の中、
しばし井戸の中を見つめていると、
そこが美しい水色をしていることに気づきました。
何が青いんだろう?
井戸の水の色?
井戸の底の色?
わからなくて、しばし、
じっと井戸の中を覗き込んでいました。
そして、次の瞬間、
それが空の色であることに気づきました。
私は、井戸の水や底の石、苔といった、
自分の目の前にあるものを見ていたのと同時に、
水面が水鏡となって映し出していた、
私の背後にある、木立や陽の光、
そして空を見ていたのです。
それはなんだか、
日頃の、目の前にあるものを見ている「私」と、
その背後で、もっと深いところから、
いつも穏やかに「私」自身と世界を見つめる
もう一人の「私」を映し出しているように思えてきたのでした。
この日は殆ど風が吹いていませんでしたが、
風が吹けば、さざ波が立ちますし、
雨が降ればいくつもの水紋が広がります。
寒さで水面が凍ることもあります。
そんなときは、井戸の中も、水面に映る風景も
よく見えなくなってしまいます。
そんなときってありますね。
心も同じだなぁて思います。
穏やかに、冷静にものごとを見つめられるときもあれば、
心穏やかじゃないときもあります。
そんなときは、自分でわかっていながら、
偏った見方になりがちで、
自分に困ってしまいます(苦笑)
皆さまにもそんなことって、ありますでしょうか?
あるとしたら、どうされてますでしょう?
私はと言いますと・・・
まずは呼吸に意識を向けます。
それで落ちつけたら、それでよいのですが、
もうちょっとなぁ…と自分で感じられた時は
愛鳥らんらんとか(*^^*
愛しい存在を思い出すことがあります。
そうして温かい気持ちを感じ、
自分に寄り添って、
自分にちょっぴり微笑みかけます。
また、時には
この清正井の水鏡に映った青空のような、
穏やかで、広く澄んだ「私」を感じて、
自分を取り戻していくこともあります。
皆さんもきっとそれぞれの方法をお持ちのことでしょう。
そんなときは、ご自身にやさしく寄り添って、
その方法を大切になさってくださいね。
–〇。*.–〇。*.–〇。*.–〇。*.–〇。*.–
皆さま、すてきな週末をお過ごしくださいませ☆